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新型コロナウイルス対策に、お口の健康管理を!

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新型コロナウイルス対策に、お口の健康管理を!

◆コロナウイルスとは◆

これまでに人に感染する
コロナウイルスとして
229E
OC43
NL63
HKU-1
の4種類のウイルスが日常的に感染し、
風邪症候群の原因(全体の10~15%)
となる事が知られていました。

国際ウイルス分類委員会は
新型コロナウイルスの名称を
「SARS-CoV-2」
と決定し、
WHOがSARS-CoV-2によって
引き起こされる感染症の名称を
「COVID-19」
と名付けました。

◆SARS-CoV-2の構造◆

1本鎖のRNAゲノムを
カプシドとエンベロープと呼ばれる
脂質二重膜が覆うだけの単純な構造で
エンベロープに突き刺さる形で
スパイクたんぱく質(Sタンパク質)
が存在しており、標的細胞への
吸着感染に需要な役割を果たします。

エンベロープは消毒薬に感受性を
示すため、消毒薬により失活し
感染性を失います。

◆SARS-CoV-2の感染◆

SARS-CoV-2の細胞への感染は
細胞表面に発現する
アンジオテンシン変換酵素2(ACE2)
とSARS-CoV-2のSタンパク質が
結合することから開始します。

ウイルスの感染経路として
飛沫感染と接触感染が重要です。
また、SARS-CoV-2はエアロゾル内に
3時間生存することが報告されており
感染者と密閉空間にいると
エアロゾル感染が起こる
可能性があります。

ちなみにSARS-CoV-2は、
段ボール表面:24時間
銅表面:4時間
ステンレス:2~3日
プラスチック:2~3日
生存すると言われています。
こまめで念入りな手洗いが重要です。

さらに重要なのは
無症状状態の感染者からの感染
いわゆる
「潜伏期における感染」
が多く起こっています。
したがって3密を避けることが
非常に重要になります。

◆COVID-19の症状◆

約5日の潜伏期間後にあらわれ
発熱
疲労
乾咳
筋肉痛
のどの痛み
等を伴います。
炎症が肺全体に広がって血中酸素濃度が
低下し、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)
などの重篤な呼吸障害が起こると
死に至ることがあります。
高齢者
COPDなどの呼吸器疾患
糖尿病
循環器疾患
等の基礎疾患を有する感染者は
重症化しやすいことや
死亡率が高い事がよく知られています

◆SARS-CoV-2と口腔の関係◆

COVIS-19の初期症状として
味覚異常と嗅覚異常が起こることが
よく知られています。

ACE2の発現は
肺や腸管で高い発現が認められると共に
口腔、特に舌粘膜に多く発現しています。
SARS-CoV-2が舌粘膜に感染した結果
味覚障害が生じている可能性が
あるとのことです。

ちなみに鼻腔では
脳の嗅球に近い嗅上皮の支持組織に
ACE2が発現している事から
SARS-CoV-2が嗅上皮に感染し
嗅覚障害が起こると推察されます

また、
共通のものを食べたりすることで
感染が起こっていることから、
鼻腔や下気道からの分泌物に
汚染されていない唾液、すなわち
自然に流れ出る唾液も感染源に
なっていると考えられています。

ACE2は
唾液腺の導管、腺房、
粘膜基底細胞上部の隣接細胞を含む上皮、
口唇の小唾液腺、顎下腺の導管上部
等に発現していることが報告されており、
SARS-CoV-2の
唾液腺への感染が疑われています。

唾液は、
鼻咽頭拭い液に代わり得る検体と報告され
実際に採取の仕方に左右されない
安定した検体として感染者の
早期発見と感染拡大防止に貢献しています

◆COVID-19と口腔細菌◆

 

近年、歯周病原細菌などの口腔細菌が
誤嚥性肺炎
インフルエンザ
COPDなどの呼吸器疾患の
発症や増悪に深く関与していることが
分かってきています。

肺炎やCOPD患者の気管支肺胞洗浄液や
喀痰から歯周病原菌を含む口腔細菌が
検出されることや
重度の歯周病患者では
肺炎やCOPDの死亡率や発症リスクが
高まることが知られています。

したがって、口腔のみ、
または、単一の微生物のみ、
に着目するのではなく、
口腔を
呼吸器系、消化器系の一部
として考えなければ理解は難しくなります

◆「重症化」に着目しよう◆

感染症の発症や進行において
「微生物と宿主の相互関係」
「ウイルスと微生物間の相互関係」
が複雑に絡み合います。

例えば…
スペイン風邪では、死者の多くは、
細菌の二次感染といわれています。
季節性インフルエンザでは、
ウイルス感染のみだと、
比較的軽症で済みますが、
細菌との共感染が起こると
重症化し、死亡率も高まることが
知られています。
さらに、2003年SARS-CoV-1で
コロナウイルスと細菌と
混合感染することで
重症化することが分かっています。

実際にCOVID-19患者の
気管支肺胞洗浄液から
Veillonella
Prevotella
Campylobacter
Treponema
Fusobacterium等の
口腔細菌が検出されているとの事です

高齢者・有病者などは
特に誤嚥性肺炎に
気を付けなければいけないことが
分かってきています。

◆口腔細菌/その他の可能性◆

口腔細菌の誤嚥が
ACE2発現を増加させ
SARS-CoV-2感染を促進させる可能性

口腔細菌の誤嚥が
炎症性サイトカインの分泌を促し
肺炎症が増悪する可能性

歯周病原菌のプロテアーゼが
SARS-CoV-2のSタンパクを分解し
ウイルス感染を促進する可能性

口腔細菌が
呼吸機能の低下と
肺胞や上皮細胞バリアの破壊を
促進する可能性

現在様々な可能性が
研究されているとのことです。

◆定期的に歯医者さんに行こう◆

新型コロナウイルスで社会が大変になって
1年以上たつわけですが、
私自身も不安や苦しみを感じた一人です。
毎日診療していますと、
食いしばりや歯ぎしりの方が
多くなったように感じます。
ウイルスに感染しないようにすることも
もちろん大切ですが、
これから人生を歩んでいくうえで
重症化の予防・健康
これがとても大切だと
気付かされた人は多いのではないでしょうか

現在マスクをするのが当たり前の時代
ぜひ、歯科治療を進めてはいかがでしょうか。
症状が全然なくて、お口に自信がある人も
定期的に歯科医院を受診して
身体の入り口である口腔を清潔に保つよう
習慣化しましょう。

 

※この記事に関して※
この記事は日本歯科医師会雑誌2021年1月[No.73]p.5~p.18「新型コロナウイルス感染症(COVID-19):口腔との関連と口腔健康管理の重要性」を参考にしております。
根拠となる参考文献は当該雑誌p.17~p18に書かれており、こちらでは割愛させていただきます。

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