詰め物や被せ物が外れてしまったとき
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被せ物や詰め物が外れてしまって、どうしよう、と悩んだご経験はありますか?
または、今まさに被せ物や詰め物が外れてしまって、困っていらっしゃいますか?
今回、
「被せ物が外れた」
「詰め物が外れた」
「歯が欠けた」
以上3点の場合を想定して、その対応方法や準備しておくといいこと、また被せ物が外れてしまった原因や、日本中でどれくらい被せ物が外れる事態が発生しているのかまで解説いたします。
まずは外れてしまったものを確認してみて下さい。
金属の被せ物や白色の被せ物、またはご自身の歯そのものが欠けているのかもしれません。
歯科医師がしっかりと確認しますので、厳密に何が外れたのか分からなくても大丈夫ですが、被せ物や詰め物について、イラストや写真で解説いたします。
現在主流な白い被せ物と言えば、CAD/CAM冠です。セラミックとプラスチックの複合素材です。
また、金属の銀色の被せ物でしたら金銀パラジウム合金であることが多いでしょう。
歯をぐるっと全周削って被せてある被せ物をクラウンと言います。
また、歯の一部だけを削って被せてある被せ物をインレーと言います。
神経がとってある歯の場合、歯の根に土台(コア)が装着されていることが多いと思います。
このコアはメタルでできていたり、ファイバーや硬質なレジンでできていることもあります。
また、かけらが小さい場合などには、プラスチックの詰め物や、ご自身の歯(エナメル質や象牙質)が欠けてしまっている場合も考えられます。
症状の有無に関わらず、出来るだけ早期に歯科医院に受診しましょう。
放置しすぎると、噛み合わせの問題から周囲の歯のトラブルを引き起こしたり、外れた歯の治療がさらに必要になる場合があります。
【トラブルの例】
①被せ物が外れた歯は、噛み合わせが無くなりますから、歯が抜ける方向に進もうとする性質があります。放置しすぎると、外れた被せ物が戻らなくなったり、新しく被せ物を作るときにさらに削る必要が出てくる可能性があります。
②被せ物が外れた歯の隣の歯は、手前側に倒れようとする性質があります。放置しすぎると、被せ物が戻るスペースが無くなっていたり、新たに歯を削らなけらばいけなくなる可能性があります。
③被せ物や詰め物が無くなった場所は象牙質が露出している場合がほとんどです。歯の表面のエナメル質と違い、虫歯になりやすい部位がむき出しになっていると考えて下さい。もちろん、虫歯が発生した場合は、削る必要があります。
④被せ物が外れると、その歯は噛み合わせを一部失うことになりますので、周囲の歯が噛み合わせの負担を負うことになります。放置しすぎてしまいますと、周囲の被せ物や詰め物が外れたりかけたりするトラブルが起こる可能性があります。
・症状がないか、冷たいものでしみているのか、温かいものでしみているのか、何もしなくても痛みがあるのか。
・いつ頃治療したものなのか。
・何がきっかけで外れてしまったのか。
これらが整理できていると、非常にスムーズに診療に入る事が出来るのではないでしょうか。
また、「いつ頃治療したものなのか」につきましては、クラウンブリッジ維持管理料(補綴物維持管理料)を算定している場合、2年以内でしたら被せ物そのものの費用がかからず治療が可能な場合があります。これは被せ物(クラウンやブリッジに限るのですが)を入れた日に受付でクラウンブリッジ維持管理料の紙をもらったご経験があるかと思いますが、「2年間の保証書」のようなものです。
「何がきっかけで外れてしまったのか」につきましては、たいして硬いものを噛んだわけではないのに外れてしまったという場合は、そこから歯ぎしりや食いしばりを実は無意識にしていたという事が分かったりすることもあります。
被せ物が外れるのには様々な要因があります。
「あそこの歯医者はやぶ医者かな?」と思う前にぜひご一読ください。
【金属の被せ物の場合】
金属の被せ物と歯は、実は化学的に「接着」しているというよりも、被せ物が外れにくい様に歯を特有の形に削り込み、機械的な嵌合力でそもそも外れにくくして、被せ物と歯との間に合着材が入り込み、密着することで外れないようにしています。意外と原始的なんです。
そして、さらに、被せ物の素材の金属は皆さんご存じのように熱による膨張・収縮があり、口腔内の金属は非常に熱い温度から冷たい温度まで晒されており、かつ存在する環境は、唾液で絶えず湿っており、強い咬合力を受け止めています。
被せ物と歯の間にある合着材は時間の経過とともに流れ出てしまっていると考えるのが普通です。
そのため、いつの日か、歯ブラシをしっかりとしていたとしても、外れる日がやってきます。また、合着材が流れ出てしまった部位に二次虫歯が見つかることも少なくありません。
【白い被せ物の場合(CAD/CAM冠)】
セラミックやプラスチック系の被せ物はメタルと違い、歯ぎしりや食いしばり等強い咬合力な晒されるとかけてしまったり取れてしまうことがあります。
しかし歯と化学的に強く接着しているので、取れたりかけたりした後で二次虫歯が見られることはあまりないように思います。
ここで学術的な複数の研究結果をご紹介します。
様々な論文(※1)によりますと、「装着後2年以内のCAD/CAM冠の脱落率=3.4%~9.1%」程度となるようで、CAD/CAM冠が外れないように努力している環境においても残念ながら一定数脱落が起こってしまっている現状があります。この健康保険の新しい技術CAD/CAMについて、さらなる技術や素材の発展が期待されます。
※1:6つの臨床試験結果・処置数約2600件・期間6か月~24か月。また、詳細な参考文献は省略させていただきます。詳しく研究されたい方は「J-STAGE」などの文献検索でも気軽に調べることが出来ます。
【詰め物や歯そのものが欠けている場合】
歯ぎしりや食いしばりがあると、歯の欠けや詰め物の欠けが発生する場合があります。
また、奥歯の大きな体積に無理に詰めたプラスチック系の詰め物も外れたりかけたりする傾向があります。
【当院の考え】
私自身は、CAD/CAMについてセレックなどを実際に臨床で数年間、使用し治療した実績があり、講習会にも当時の院長らとともに参加させていただき、勉強させていただきました。
また、被せ物の脱落は患者様と歯科医師、どちらも起こってほしくない事象であり、歯科医師会などでも勉強会が開かれておりますので、毎回参加し、研鑽に努めております。
歯の削り方ひとつ、接着学の知識一つでも多く取り入れ、皆様がより健康な生活を送れるよう努力してまいります。
そして、とても大切な事なのですが、ここまで読んでいただいて分かって頂いたと思いますが、ご自身の「歯」「エナメル質」「象牙質」に勝る代替素材はありません。物はいつか劣化し、永遠に状態を維持することは不可能です。今ある歯を大切にしましょう。
また、この記事が皆様のお役に立っていただいたなら幸いです。
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